天台大師智顗の作とされ、「法華経二十八品は69,384の文字で構成されるが、その一文字一文字すべてが仏様(一一文文是真仏)である。」ことを表し、正しい法が皆を救けて共に仏道を成就することが出来ると説いています。
【本文】
記の一に云く、妙法の唱えは唯正宗のみに非ず。
二十八品倶に妙と名づくるが故に、故に品々の内咸く体等を具し、句々の下通じて妙名を結す。
稽首妙法蓮華経 薩達磨芬陀利伽
一帙八軸四七品 六萬九千三八四
一々文々是真佛 真佛説法利衆生
衆生皆已成佛道 故我頂礼法華経
今身より、仏身に至るまで、能く持ち奉る。南無妙法蓮華経(三唱)
【解説】
稽首=頭を地に着くまで下げてする礼。
薩達磨芬陀利伽=妙法蓮華経とは、梵語の薩達磨・芬陀梨伽・蘇多覧を翻訳したものである。
薩は妙を意味し、達磨は法を意味し、芬陀梨伽は蓮華を意味し、蘇多覧は経を意味する
一帙=書物の傷みを防ぐために、一まとめにして包む入れ物。袋。
八軸=法華経の巻。全八巻
四七品=法華経の品。全二十八品
六万九千三八四=法華経の文字数。69,384文字。
一々文々是真佛=法華経の一文字一文字、これまことの仏である。
真佛説法利衆生=法華経一文字一文字のまことの仏は我々衆生の為に法を説いて下さる。
衆生皆已成佛道=この経の功徳により我々衆生は皆すでに仏道を成就しています。
故我頂礼法華経=ゆえに我等は法華経を礼を以て押し頂きます。