宝塔偈ほうとうげ

 

【真読】

此経難持 若暫持者 我即歓喜

諸仏亦然 如是之人 諸仏所歎

是則勇猛 是則精進 是名持戒

行頭陀者 則為疾得 無上仏道

能於来世 読持此経 是真仏子

住淳善地 仏滅度後 能解其義

是諸天人 世間之眼 於恐畏世

能須臾説 一切天人 皆応供養

 

【訓読】

此の経は持ち難し

若し暫くも持つ者は

我即ち歓喜す

諸仏も亦然なり

是の如きの人は

諸仏の歎めたもう所なり

是れ則ち勇猛なり

是れ則ち精進なり

是れを戒を持ち

頭陀を行ずる者と名く

則ち為れ疾く

無上の仏道を得たり

能く来世に於て

此の経を読み持たんは

是れ真の仏子

淳善の地に住するなり

仏の滅度の後に

能く其の義を解せんは

是れ諸の天人

世間の眼なり

恐畏の世に於て

能く須臾も説かんは

一切の天人

皆供養すべし

 

【解説】

妙法蓮華経見宝塔品第十一の偈文(詩句)であるところから「宝塔偈」という。

法華経を信じ行い続けることは大変難しいが、それをほんの少しでも行うことがあれば、素晴らしい功徳を得ると説かれている。

日蓮大聖人は伊豆へ配流される時、船上より弟子の日朗上人に向かいこの宝塔偈を読まれました。

波に揺られながら読まれ、日朗上人には独特の節をつけて読まれているように聞こえました。

我々がお読みする宝塔偈の独特の節はこれがもととなったそうです。